新潟県阿賀町の津川商店街に、「とんぼのはじまり」と「あがまちベース」という小さな拠点があります。
とんぼのはじまりでは、ごはん会や学びの場、地域の人が集まる場づくりを行っています。
あがまちベースでは、ぶつぶつ交換所を中心に、モノが循環し、人が立ち寄り、会話が生まれる場をつくっています。
なぜ、このような場所を始めたのか。
一言でいえば、地域に眠っている資産を、人とつながりの力で、もう一度価値あるものに変えていきたいと思ったからです。
地域には、空き家、空き店舗、古民家、使われなくなったモノ、人の知恵や経験、商店街の歴史など、まだ活かしきれていない資産がたくさんあります。
それらをただ「問題」として見るのではなく、次の価値に変えていく。
その実践の場として、とんぼのはじまりとあがまちベースを始めました。

とんぼのはじまり/あがまちベースは、地域に眠る資産を人とつながりの力で次の価値へ変えるために始めた拠点です。
阿賀町で活動する中で、私は大きく3つの課題を感じていました。
1つ目は、商店街の空洞化です。
かつては人が行き交い、買い物や会話が生まれていた場所でも、今は人通りが少なくなり、空き店舗が増え、まちの灯りが少しずつ消えていくような感覚がありました。
もちろん、時代の変化はあります。
車社会になり、買い物の仕方も変わり、人口も減っています。
ただ、それでも商店街には、地域の記憶や、人が集まる可能性が残っています。
建物や場所そのものに、まだ役割があると感じていました。
2つ目は、孤食や孤立の問題です。
一人暮らしの高齢者が増え、子育て世帯も忙しく、世代を超えて顔を合わせる機会が少なくなっています。
地域に住んでいても、意外とお互いのことを知らない。
昔のように、自然に声をかけ合う関係が見えにくくなっている。
これは、高齢者だけの問題ではありません。
子どもたち、若い世代、子育て世代、町外から来る人たちにとっても、気軽に立ち寄れる場所があることは大切だと思っています。
3つ目は、眠っている資産が多いことです。
空き家、空き店舗、使わなくなったモノ、畑で採れた野菜、料理が得意な人、手仕事ができる人、地域の昔話を知っている人。
地域には、活かせば価値になるものがたくさんあります。
けれど、それらがバラバラのままだと、なかなか次の動きにはつながりません。
だからこそ、人が集まり、モノが循環し、会話が生まれる場をつくりたいと思いました。

商店街の空洞化、孤食・孤立、眠っている地域資産。これらの課題をつなぎ直す場として、とんぼのはじまり/あがまちベースを始めました。
とんぼのはじまりは、単なるイベント会場ではありません。
私がつくりたいのは、地域の中にある「みんなの居場所」です。
世代を超えて、誰でも気軽に集まれる場所。
ごはんを食べたり、話したり、手伝ったり、学んだりできる場所。
子どもも、大人も、おじいちゃんも、おばあちゃんも、町外から来た人も、同じ食卓を囲める場所。
とんぼのごはん会では、食べ物や飲み物を持ち寄りながら、みんなで食卓を囲んでいます。
ただし、「何かを持ってこないと参加できない」という場にはしたくありません。
料理をつくれる人は料理を持ってくる。
野菜を持ってこられる人は野菜を持ってくる。
片付けを手伝える人は手伝う。
子どもたちは、その場にいるだけで場を明るくしてくれる。
手ぶらで来ても、誰かと一緒にごはんを食べるだけで十分です。
支援する側と支援される側を分けるのではなく、それぞれが持っているものや、できることを、無理のない範囲で持ち寄れる場所にしたいと思っています。
そして、とんぼのはじまりは、学びの場でもあります。
地域で暮らすこと。
仕事をつくること。
空き家や古民家を活かすこと。
子どもたちが地域の未来を考えること。
若い世代がやってみたいことに挑戦すること。
こうした学びや実践が生まれる場にしていきたいと考えています。
あがまちベースは、ぶつぶつ交換所を中心にした地域の循環拠点です。
誰かにとって不要になったものが、別の誰かにとって必要なものになる。
使えるモノを、捨てずに生かす。
モノをきっかけに人が立ち寄る。
人が立ち寄ることで会話が生まれる。
会話が生まれることで、次のつながりができる。
ぶつぶつ交換所は、単なるリユースの仕組みではありません。
モノが動くことで、人が動く。
人が動くことで、まちに小さなにぎわいが生まれる。
まちに人が立ち寄ることで、商店街に灯りがともる。
そういう流れをつくるための拠点です。
実際に、あがまちベースには町内の方だけでなく、町外からも多くの方が立ち寄ってくれています。
「こんな場所があるんだ」
「阿賀町って面白いですね」
「また来ます」
そう言ってもらえることがあります。
小さな拠点であっても、地域の入口になることはできます。
そして、その入口から、関係人口や移住、事業連携、視察、次の活動につながる可能性があります。

とんぼのはじまりは人が集まる居場所、あがまちベースはモノと人が循環する入口。どちらも地域資産を活かすための実践拠点です。
High Bridgeでは、「地域に眠る資産を、次の価値へ」という考え方を大切にしています。
資産というと、土地や建物、お金のことを思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、空き家や古民家、空き店舗、不動産は大切な地域資産です。
しかし、地域の資産はそれだけではありません。
地域の人の経験。
料理や畑仕事の知恵。
昔から続く暮らし。
商店街の記憶。
子どもたちの元気。
若い人の挑戦。
町外から関わってくれる人の視点。
こうしたものも、地域の大切な資産です。
ただ、それらは見える形にしなければ、なかなか活かされません。
人と人が出会い、会話し、試してみる場所があって初めて、地域資産は動き出します。
とんぼのはじまりとあがまちベースは、そのための実験場であり、実践拠点です。
地域で何かを始めるとき、よくある課題は「続けること」です。
イベントを一度開催することはできます。
人を集めることもできます。
補助金を使って何かを始めることもできます。
しかし、本当に大切なのは、それが地域の中で続いていくことです。
そのためには、想いだけでは足りません。
運営する人が必要です。
関わる人が必要です。
少しずつでもお金が回る仕組みが必要です。
次の世代が関われる余白が必要です。
だから私は、とんぼのはじまり/あがまちベースを、単なる地域活動として終わらせたくありません。
人が集まることで、ごはん会が生まれる。
ごはん会から会話が生まれる。
会話から小さな挑戦が生まれる。
小さな挑戦から、地域のプレイヤーが育つ。
そこから新しい事業や関係人口につながっていく。
この循環をつくりたいと思っています。
地域の未来を考えるとき、次世代の存在は欠かせません。
子どもたちや若い人たちが、地域の課題をただ「大変なこと」として見るのではなく、「自分たちでも何かできるかもしれない」と感じられることが大切だと思っています。
空き家をどう活かすか。
商店街にどう人を呼ぶか。
地域の食材をどう使うか。
自分の得意なことをどう地域に活かすか。
人が集まる場をどうつくるか。
こうしたことは、教科書だけでは学べません。
実際の地域を見て、人と話して、自分で手を動かしてみることで、少しずつ見えてくるものがあります。
とんぼのはじまりやあがまちベースが、子どもたちや若い世代にとって、地域で何かを始めるきっかけの場所になれば嬉しいです。
私は、阿賀町の未来を考えるうえで、町内の人だけでなく、町外の人との関係も大切だと思っています。
移住するかどうかだけではありません。
まずは来てみる。
ごはんを食べる。
ぶつぶつ交換所に立ち寄る。
地域の人と話す。
商店街を歩く。
古民家宿に泊まる。
何か手伝ってみる。
そうした小さな関わりから、阿賀町との関係が始まります。
あがまちベースやとんぼのはじまりは、町外の人にとっても、阿賀町に関わる入口になっていく可能性があります。
観光だけではなく、関係人口として関わる。
地域の取り組みに参加する。
事業や学びでつながる。
将来的に移住や二地域居住につながる。
その入口を、商店街の中につくりたいと思っています。

人が集まり、会話が生まれ、モノ・食・想いが循環し、地域のプレイヤーが育ち、次の事業や関係人口につながっていく循環を目指しています。
大きなことを言っているように聞こえるかもしれませんが、最初にやっていることはとても小さなことです。
お店を開ける。
人が立ち寄れるようにする。
ごはんを一緒に食べる。
使えるモノを持ち寄る。
片付けを手伝う。
子どもたちが顔を出す。
町外の人がふらっと来る。
商店街に少し灯りがともる。
その積み重ねです。
でも、地域づくりは、こうした小さな実践から始まるのだと思っています。
誰か一人が大きなことをするのではなく、いろいろな人が少しずつ関わる。
できることを持ち寄る。
無理なく続ける。
その中から、次の動きが生まれる。
とんぼのはじまり/あがまちベースは、そんな場所でありたいと思っています。
とんぼのはじまり/あがまちベースを始めた理由は、単に場所をつくりたかったからではありません。
商店街の空洞化。
孤食や孤立。
眠っている地域資産。
次世代のプレイヤー不足。
町外の人との接点不足。
こうした課題を、ひとつずつ現場でつなぎ直していくためです。
地域には、まだまだ活かせるものがあります。
空き家も、空き店舗も、モノも、人の力も、食も、知恵も、商店街も、すべて見方を変えれば地域の資産です。
それらを、人とつながりの力で次の価値へ変えていく。
そのための実践拠点として、とんぼのはじまり/あがまちベースを育てていきたいと思っています。
この町で、つながる。
つくる。
つづく。
そんな未来を、少しずつ形にしていきます。
空き家・古民家・相続した実家・不動産活用・地域事業づくりについてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
合同会社High Bridgeは、新潟県新潟市に所在地を置き、新潟県阿賀町を主な活動拠点として、地域に眠る資産を次の価値へつなげるお手伝いをしています。
空き家・古民家に関するご相談は新潟県内を中心に、内容によっては全国のネットワークとも連携して対応可能です。
資産形成・資産活用、不動産や相続に関する課題整理については、オンライン相談等も含め、地域を問わずご相談いただけます。
所有者の想い、地域の事情、事業としての可能性を整理しながら、必要に応じて専門家や事業者とも連携して対応します。
[お問い合わせはこちら https://highbridge.fun/ ]
合同会社High Bridge
代表 高橋眞也
地域に眠る資産を、次の価値へ。